化学肥料で栽培すると土が硬くなって、根が伸びなくなり、栄養分が吸収し難くなります。ちょうど、胃腸が弱った人が病弱になるのと同じで、野菜も病弱になります。健康体なら多少の病原菌など、寄せ付けないのですが、病弱になると、あっけなく罹病してしまいます。これは人間も植物も一緒です。
ですから、病弱→罹病→病原菌退治→殺菌剤の図式が出来あがります。
殺菌剤は病原菌も殺しますが、同時に野菜の為に役立つ微生物も殺してしまいます。つまり、畑を無菌室にしてしまうのです。無菌室で育ったマウスが菌に対する耐性がないように野菜も菌への耐性がなくなります。一方、菌の方は殺菌剤に対する耐性を強めます。
耐性がない→罹病→殺菌→耐性菌→罹病→殺菌→耐性菌・・・
病気に罹りやすいだけでなく、病弱だと、光合成の力も落ちてきます。光合成の力が弱まると、糖分の製造能力が落ちて、葉や果実は健康を損ないます。(化肥野菜が美味くないのはこの為です)
虫は健康を損なった野菜が好きです。というのも、虫は動物のように消化器官を持っていませんから、どちらかというと腐りかけた野菜しか消化出来ないからです。
不健康な野菜には当然、虫が集まってきます。そこで殺虫剤です。虫は菌と同様に自分を攻撃してくる敵に対抗するため、耐性を強める自然の力を持っています。(淘汰の原理です)
耐性→強い薬品→強い耐性→更に強い薬品→更に強い耐性・・・
薬品は遂に人間を殺すに充分な力を持つことになりました。今、農薬を扱うときは宇宙服のようなものを着ていないと、危険で仕事ができません。
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